REWの始め方 無料ソフトとマイク1本で車の音を測ろう

DSP調整・測定

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こんにちは、ゴリさんです!

DSPで音を調整しているけど、耳だけだと「これで合ってるのかな?」と不安になること、ありませんか?

そんなときに役立つのが、REW(Room EQ Wizard)という無料の音響測定ソフトです。

でも、いざ調べてみると英語ばかりで、「なんだか難しそう…」と尻込みしてしまうかもしれません。

僕も最初は、設定の意味がまったくわかりませんでした。

英語のヘルプをダウンロードして、翻訳しながら1つずつコツコツ進めたのを覚えています笑。

この記事では、そんな僕の経験をもとに、REWで車の音を測るために必要な機材、選び方、最初の設定、マイクの置き方をまとめました。読み終わるころには、今日から測定を始められるはずです!

REWとは?無料で使えるすごい音響測定ソフト

REW(Room EQ Wizard)は、無料で使える音響測定ソフトです。マイクで車内の音を拾って、どの高さの音が大きいか・小さいかをグラフにしてくれます。

REWの測定画面で、車の左右スピーカーのタイミング調整前と後の周波数特性を重ねて比べたグラフ

もともとは部屋のオーディオ向けのソフトですが、車でもバッチリ使えます。

しかも無料なのに、プロも使うほど本格的なんです。

測ってみると、耳だけでは気づけない問題が「見える」ようになります。

たとえば僕の車では、左右の音が届くタイミングのずれで、低音が最大15dBも打ち消し合っていたことがわかりました。

耳で聴いていても「なんか低音が物足りないな」くらいにしか感じなかったのに、です。

この話は、こちらの記事でくわしく紹介しています。

測定に必要なものは3つだけ

REWで車の音を測るのに必要なものは、次の3つです。

  • パソコン:WindowsでもMacでもOK。車内で使うので、ノートパソコンが便利です
  • 測定用マイク:ふつうのマイクではなく、測定用に作られたもの
  • オーディオインターフェース:パソコンの音を、DSPが受け取れる形にして送る機材(XLRマイクの場合は、マイクの音をパソコンに取り込む役も)

REW自体は無料なので、そろえるのは実質「マイク」と「オーディオインターフェース」の2つだけです。

ちなみに僕の構成はこんな感じです。

  • 測定用マイク:Dayton Audio UMM-6(USB接続)
  • オーディオインターフェース:BEHRINGER UCA202
  • DSP:Journey X8 Pro
REWの測定に使っている機材(測定用マイクUMM-6、オーディオインターフェースUCA202、マイク固定用クランプ、USBハブ)

測定用マイクの選び方

「校正ファイル」があると安心

マイクにはそれぞれ、「この高さの音は少し大きめに拾う」といったクセがあります。

そのクセを打ち消すためのデータが校正ファイルです。REWに読み込ませると、マイクのクセを補正したうえで測定してくれます。

ただ、校正ファイル付きのマイクは値段が一気に高くなるのが難点。

校正ファイルがないものは5千円くらいからありますが、校正ファイル付きは2万円前後のものが多いです。

そうなると、校正ファイルがない安いマイクだと、ちゃんと測れないの?と気になりますよね。

そこで、僕のUMM-6の校正ファイルの中身を見て、どれくらい補正しているかを調べてみました。

音の高さ補正の大きさ
低音(20〜200Hz)+0.5〜1.0dB
中音〜高音(200Hz〜10kHz)±0.5dB以内
超高音(10k〜20kHz)−0.6〜−1.9dB

結果は、ほとんどの帯域で1dB以下、いちばん大きいところでも2dB弱でした。

車の中では、マイクの位置を少し動かすだけで、グラフが10dB以上変わることもあります。それに比べると、校正ファイルの有無による差はかなり小さいんです。

しかも、左右のバランスやタイミング合わせのように「同じマイクで測ったもの同士を比べる」調整では、マイクのクセは両方に同じだけ乗るので、ほとんど影響しません。

まとめると、校正ファイルは「あると安心」。

でも、ないマイクでも車の調整には大きく困らないというのが、僕の結論です。

ただし、校正ファイルのないマイクは個体ごとのクセがわからないので、ツイーターの超高音の調整は、最後に耳でも確かめるようにしましょう。

僕がUSBマイクを選んだ理由

測定用マイクには、パソコンにUSBで直接挿す「USBマイク」と、オーディオインターフェースにつないで使う「XLRマイク」の2種類があります。

XLRマイクは、オーディオインターフェースから「ファンタム電源」という電気をもらって動きます。

REWの公式ヘルプでおすすめされていたのが、USBマイクのminiDSP UMIK-1でした。

そこで、同じように校正ファイルが付いていて、もう少し安いUSBマイクを探してたどり着いたのが、今使っているUMM-6です。実際に使ってみて、ふつうに問題なく使えています。

ただ、そのときは知識がなくて、「マイクとオーディオインターフェースで時計が別々になる」ことまでは気が回りませんでした。

USBマイクの弱点は「タイミング合わせ」

USBマイクは、DSPへ音を送るオーディオインターフェースとは別に、マイクの中に「時計」を持っています。

2つの時計はほんのわずかに速さが違うので、音が届くまでの時間を測るのが少し苦手です。

実際に僕も、各スピーカーのタイミング合わせ(タイムアライメント)では、測るたびに結果がばらついて苦労しました。

REWには時計のずれを補正する機能もあるので、環境によってはタイミング合わせもうまくいくはずです。ただ、僕の車ではその補正でも追いつきませんでした。

REWの公式ヘルプがUSBマイクをすすめているのは、部屋の響きの測定や、音量・イコライザーの調整なら、USBマイクで手軽に十分測れるからです。

なので、タイミング合わせまでしっかりやりたいなら、XLRマイクがおすすめです。オーディオインターフェース1台でマイクの入力もDSPへの出力もこなせるので、時計が1つになって、この問題が起きにくくなります。

今ならこう選ぶ!おすすめの2プラン

もし今、ゼロからそろえるなら、僕はXLRマイクの構成にします。予算に合わせて、次の2つから選んでみてください。

オーディオインターフェースは、どちらもM-AUDIO M-Track Soloです。マイク入力・ファンタム電源・RCA出力がついていて、USBからの電源で動くので、車内でもノートパソコンにつなぐだけで使えます。

2つのプランの違いは、マイクに校正ファイルが付いているかどうかだけです。

プラン①:お手軽プラン(1万円台前半)

  • 測定用マイク:Superlux ECM-999(XLR接続)
  • オーディオインターフェース:M-AUDIO M-Track Solo
  • マイクケーブル:XLRケーブル(車内で取り回せる長さのもの)

とにかく安く始めたい人向けです。

ECM-999には、1本ずつの校正ファイルがありません。

僕のUMM-6では校正ファイルによる補正は1dB以下でした。マイクが違うので同じとは限りませんが、車の調整で大きく困ることは少ないはずです。

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プラン②:安心プラン(2万円台半ば)

  • 測定用マイク:Dayton Audio EMM-6(XLR接続)
  • オーディオインターフェース:M-AUDIO M-Track Solo
  • マイクケーブル:XLRケーブル(車内で取り回せる長さのもの)

校正ファイルまできちんとそろえたい人向けです。

EMM-6は、僕が使っているUMM-6と同じメーカーのXLR版です。シリアル番号を入力すると、メーカーのサイトから自分のマイク専用の校正ファイルをダウンロードできます。

REWの公式サイトでも、USBマイク以外の選択肢として、アナログ(XLR)の測定マイクの例にEMM-6が挙げられています。

DSPに光・同軸のデジタル入力しかない場合

M-Track Soloの出力はRCA(アナログ)だけです。DSPにRCA入力があれば、そのままつなげます。

光や同軸のデジタル入力しかないDSPなら、RCAの音を光・同軸デジタルに変える変換器を間にはさみましょう。2,000円前後からある、手のひらサイズの小さな機材です。

選ぶときは、RCA入力・光(同軸)出力になっているかを確認してください。逆向き(光→RCA)の変換器もたくさん売られているので、間違えないように注意です。

USBマイクで手軽に始めたい人へ

マイクをパソコンに挿すだけで始めたい人は、僕と同じUSBマイクもありです。

Dayton Audio UMM-6
僕が使っているUSBマイクです。シリアル番号を入力すると、メーカーのサイトから自分のマイク専用の校正ファイルをダウンロードできます。

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miniDSP UMIK-1
REWの公式ヘルプでもすすめられている、定番のUSBマイクです。校正ファイルが「0度用」と「90度用(天井向き用)」の2種類付いてくるので、このあと紹介する天井向きの置き方とも相性がいいです。

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価格は時期によって変わるので、リンク先で確認してみてください。

USBマイクは録音しかできないので、DSPへ測定用の音を送るためのオーディオインターフェースを別に用意します。DSPの入力端子(光・同軸・RCA)に合った出力のものを選びましょう。

僕はX8 Proの光デジタル入力に合わせて、光デジタル出力があるBEHRINGER UCA202を使っています。サウンドハウスなら4,000円台で買える、とても手頃なオーディオインターフェースです。

ただし、UCA202にはマイク入力(XLR端子)がありません。僕はマイクがUSBタイプだったので、UCA202は「DSPへ音を送る役」だけで済んだんです。

XLRマイクを使う場合は、UCA202ではマイクをつなげないので、さっき紹介したM-Track Soloのような、マイク入力つきのオーディオインターフェースを選んでください。

車でのつなぎ方

測定するときは、DSPにふだんつないでいるケーブルを一時的に抜いて、オーディオインターフェースからのケーブルに差し替えます。

僕の場合は、ふだんは音声分離機からの光ケーブルをX8 Proにつないでいるので、測定のときだけそれを抜いて、UCA202の光ケーブルを挿しています。測定が終わったら元に戻すだけです。

ちなみに僕のX8 Proはトランクにあります。UCA202は助手席のパソコンの横に置いて、長い光ケーブルをトランクまで伸ばしてつないでいます。

DSPの設定用のUSBケーブルも助手席まで引いてあるので、座ったまま「測る→設定を変える」をくり返せます。

DSPをトランクや座席の下に付けている人は、ケーブルの長さを事前にチェックしておきましょう。

REWで車の音を測定するときのパソコン、オーディオインターフェース、DSP、測定用マイクの接続図

マイクの置き方:ヘッドレスト付近に「天井向き」

測定の結果は、マイクの置き方で大きく変わります。僕がやっている置き方はこちらです。

運転席のヘッドレストのパイプにクランプで固定し、天井向きにセットした測定用マイク
  • 場所:運転席のヘッドレスト付近(ふだん耳がある高さ)
  • 向き:天井向き
  • 固定:ヘッドレストのパイプに、市販のクランプ(はさんで固定する金具)で取り付け

ヘッドレストのパイプに固定すれば、三脚を置くスペースがない車内でも、マイクをしっかり固定できます。

僕が使っているのは、カメラ用の「クランプ」と「ネジ変換アダプター」の組み合わせです。マイクに付属のマイクホルダーは3/8インチ、クランプは1/4インチとネジの太さが違ったので、変換アダプターでつないでいます。

Taisioner スーパークランプ(360°回転・1/4インチネジ)

PureSino カメラネジ変換アダプター(3/8インチ⇔1/4インチ・4個入り)

正面向きじゃないの?

実は僕、最初は「マイクは正面に向けるほうがいいでしょ」と思っていました。

天井に向けるなんて、AIに理屈を聞くまで思いつきもしませんでした。

ねらいは、左右のツイーターを、マイクから見て同じ角度にすることです。

運転席に座ってマイクをまっすぐ前に向けると、運転席側のツイーターはマイクの正面に近い小さな角度、助手席側のツイーターは大きくななめの角度から音が届きます。

測定用マイクでも、高い音ほど「どの角度から音が来たか」で拾い方が少し変わります。そのため、前向きのままだと左右のツイーターを同じ条件で比べられないんです。

マイクを天井に向ければ、左右どちらのツイーターも、マイクから見るとほぼ真横から音が届きます。角度がそろうので、マイクの向きによる影響をなくして、左右を公平に比べられるというわけです。

測定用マイクを天井向きにすると左右のツイーターとの角度がそろうことを示した図

なお、校正ファイルに「90度用(天井向き用)」があるマイクなら、天井向きのときはそちらを使ってください。

マイクを動かすと結果が変わる

もうひとつ大事なのが、測定中はマイクを動かさないことです。

とくに中音〜高音は、マイクの位置が少しずれるだけでグラフが大きく変わります。調整の前と後を比べたいときは、マイクを動かさずに続けて測りましょう。

REWの初期設定:僕のつまずきポイントも紹介

①ダウンロードとインストール

REWは公式サイト(roomeqwizard.com)から無料でダウンロードできます。英語のサイトですが、手順はかんたんです。

  1. 公式サイトを開いて、ページの途中にある「Downloads」の表を見つける
  2. 自分のパソコンに合ったものをクリックしてダウンロードする
    ・Windows:「Windows 64-bit installer」(今のWindowsなら、ほぼこれでOK)
    ・Mac:「macOS universal binary」
  3. ダウンロードしたファイルを開いて、画面の指示に従ってインストールする
REW公式サイトのDownloadsの表。WindowsやMac向けのインストーラーが並んでいる

Macの場合は、REWにマイクを使う許可が必要なことがあります。測定してもマイクの音が入らないときは、Macの「プライバシーとセキュリティ」の設定でREWを許可しましょう。

なお、「Beta」と書かれた開発中のバージョンもありますが、最初は表に出ている正式版でOKです。

②入出力の設定

REWを起動したら、画面上部の「Preferences」を開いて「Soundcard」タブで設定します。

  • Output device(出力):オーディオインターフェース
    (僕のUCA202は「USB Audio CODEC」という名前で表示され、前に数字が付くこともあります)
  • Input device(入力):測定用マイク
    (UMM-6はそのまま「UMM-6」と表示されます)

XLRマイクの場合は、入力も出力もオーディオインターフェース(M-Track Soloなど)を選びます。

REWのPreferencesのSoundcardタブで、出力にオーディオインターフェース、入力に測定用マイクを設定した画面

③校正ファイルを読み込む

同じく「Preferences」の「Cal files」タブで、マイクの校正ファイルを読み込みます。

校正ファイルは、マイクのメーカーのサイトからシリアル番号を入力してダウンロードしておきましょう。

校正ファイルがないマイクは、この手順は飛ばしてOKです。

④1回測ってみる

準備ができたら、「Measure」ボタンから測定画面を開きます。「Check Levels」で音量を確認してから、「Start」で測定スタートです。

最初はDSPやヘッドユニットの音量を小さめにしてから始めてください。いきなり大きな音が出ると、スピーカーにも耳にもよくありません。

「ピューーン」という音が鳴って、グラフが表示されたら成功です!

REWで車内の音を測定したときの周波数特性のグラフ

僕がつまずいたポイント

僕が実際にハマったポイントも紹介しておきます。

  • 日本語のヘルプがない:英語のヘルプをダウンロードして、翻訳しながら設定しました。これが一番大変でした!
  • 設定がいつの間にか元に戻っている:USBを抜き差しすると、入出力が「Default Device」に戻っていることがあります。測る前に毎回チェックしましょう
  • 校正ファイルが外れている:何かの拍子に外れていたことがありました。これも測る前にチェックです
  • マイクの音が小さすぎる:Windowsのマイクの入力音量が低くなっていました。100に上げたら解決しました

わからない設定は、AIに聞けばOK

英語のヘルプと格闘した僕から、これから始める人に伝えたいことがあります。

今は、わからないことはAIに聞けばいいということです。

REWの画面のスクショをAIチャットに見せて、「この設定はどうすればいい?」と聞くだけで、日本語でていねいに教えてくれます。

僕がやっていたら、翻訳の手間がぐっと減っていたはずです笑。

さらに今の僕は、AIにREWを直接操作してもらって、設定や測定のほとんどを任せています。

そのやり方も、別記事で紹介していく予定です。

まとめ:まずはマイクを準備して、測ってみよう!

REWで車の音を測るために必要なものは、この3つでした。

  • パソコン
  • 測定用マイク
  • オーディオインターフェース

REWは無料なのに、耳だけでは気づけない問題を見せてくれる、本当にすばらしいソフトです。

まずはマイクを準備して、REWで愛車の音を測ってみましょう!グラフを見るだけでも、きっと新しい発見があるはずです。

測ったグラフをどう読んで、どう調整すればいいかは、後日公開予定の別の記事で紹介します。

今日はこのへんで、それではまた〜

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