【無料】REWの結果をAIに渡してDSP調整値をもらう方法

DSP調整・測定

こんにちは、ゴリさんです!

REWで車の音を測ってみたけど、グラフのデコボコを見ても「で、どこをどう直せばいいの?」と固まってしまう…。そんな経験、ありませんか?

どこが山でどこが谷かはなんとなくわかっても、DSPで何Hzを何dB上げ下げすればいいのかまでは、なかなか結びつかないですよね。

そんなときは、測定結果をAIチャットに見せて、「どこを何dB直せばいい?」と聞いてみるのがおすすめです。

グラフの読み方から具体的な数値まで、日本語で教えてくれます。

この記事では、

  • AIに渡しやすい測り方
  • REWの測定結果をAIに渡す方法
  • コピペで使えるAIへの質問テンプレ
  • AIの答えをうのみにしないための注意点

を、僕のRAV4の測定データで実際に試した結果もまじえて紹介します。

REWで測ってみたけど、そこから先の調整がわからない人に、ぜひ読んでほしい記事です!

AIチャットでできること・できないこと

まずは、AIチャットで何ができるのかを整理しておきます。

  • できること:グラフの読み方、直すべき周波数とdB、タイムアライメント(スピーカーごとのタイミング合わせ)の目安、「声がボワつく」といった感想を数字に変えること
  • できないこと:DSPへの入力(自分の手でやります)、車内の様子を見ること(こちらから情報を伝えるのが大事です)

このシリーズで紹介している、Claude Codeを使ったやり方との違いはこんな感じです。

この記事(AIチャット) Claude Code
測定する人 自分 AI
結果を分析する人 AI AI
DSPに入力する人 自分 AI(対応するDSPのみ)
費用 無料から 有料プランが必要
DSPの機種 問わない パソコンから操作できるものに限られる

手間は少し増えますが、無料で、どのDSPでも使えるのがAIチャットのいいところです。

REWで測ってAIチャットに聞き、DSPに入力して測り直すまでの調整の流れ

準備するもの

  • REWの測定結果
    測定マイクとREWの準備がまだの人は、先にこちらの記事を読んでみてください
  • AIチャット
    この記事ではClaude(claude.ai)を使います
  • 自分のDSPで「できること」のメモ
    EQのバンド数や設定できる周波数の範囲、ディレイの単位など

AIチャットはいろいろありますが、選ぶポイントはファイルを添付できて、データを計算したうえで答えてくれるかです。

今回Claudeに聞いたときは、「測定データ3本から、左右の位相関係と低音の問題点を計算して確認します」と、データを計算してから答えてくれました。

ちなみにClaudeは、無料プランでもファイルを添付できます。

僕は現在有料プランを契約していますが、今回は無料プランでも使えるモデルを選んで試しました。

ステップ1:AIに渡しやすい測り方をする

AIに上手に答えてもらうには、測り方にもちょっとしたコツがあります。

スピーカーを1本ずつ鳴らして測る

全部のスピーカーを同時に鳴らした測定だけだと、AIも「どのスピーカーが原因か」までは決めきれません。

実際、今回の実験でもAIから「全スピーカー同時の測定なので、どのスピーカーが原因かまでは断定できません」と言われました。

左右のタイミングを合わせたい(タイムアライメント調整)なら、こんな3本セットがおすすめです。

  • 左のドアスピーカーだけ
  • 右のドアスピーカーだけ
  • 左右のドアスピーカーを同時に

「1本ずつ」と「同時」を比べると、同時に鳴らしたほうが小さくなっている帯域=左右の音が打ち消し合っているところが見えてきます。

測定にわかりやすい名前をつける

REWの測定には名前をつけられます。「L-DOOR」「R-DOOR」「LR-SUM」のように、何を測ったかがわかる名前にしておきましょう。

あとでAIに渡すときも、自分で見返すときも迷いません。

ステップ2:測定結果をテキストで書き出す

REWの測定結果をAIに渡す方法は、大きく2つあります。

  • グラフのスクショを貼る
    かんたん。ただしAIがグラフの数値を目で読むことになるので、細かいところは不正確になりやすい
  • テキストで書き出して渡す
    周波数ごとの数値がそのまま渡るので、AIが正確に計算できる

おすすめはテキストです。

今回の実験もテキストで渡しましたが、AIが答えの中で読み取った数値は、実際のデータとぴったり一致していました。

書き出し方

  1. REWで書き出したい測定を選ぶ
  2. メニューの「File」→「Export」→「Export measurement as text」を選ぶ
REWのFileメニューからExport measurement as textを選ぶ画面

設定画面が開いたら、次の3か所を変えます。

・Use custom range:20〜20,000Hz(人の耳に聞こえる範囲)
・Use custom resolution:24 PPO(1オクターブあたり24点に間引く)
・Use custom smoothing:1/12 octave(グラフの細かいデコボコをならす処理)

あとは「OK」を押して保存すれば完了です。

REWのExport settings画面。範囲・間隔・スムージングを設定する

間隔をそのまま(細かいまま)にすると、ファイルがとても大きくなってしまいます。24点くらいに間引いておけば、1ファイル240行ほどで、AIにも渡しやすいサイズになります。

測定がたくさんあるときは、「Export all measurements as text」で全部まとめて書き出すこともできます。

ステップ3:AIへの聞き方(コピペOKのテンプレ)

AIは車の中を見られません。だからこそ、こちらから伝える情報で答えの質が決まります。

僕が実際に送った文面をテンプレにしました。自分の車に合わせて書きかえて使ってください。

カーオーディオのDSP調整を手伝ってください。

【車とスピーカー】
・車種:トヨタ RAV4 PHV(右ハンドル)
・スピーカー:ツイーター(Aピラー)、ミッド(2.5インチ・ダッシュボード上)、ドアウーファー(純正位置)、サブウーファー(トランク)
・DSP:Journey X8 Pro(各chのディレイは約0.02ms刻み、EQ、クロスオーバー、位相の正逆切替あり)
・クロスオーバー:サブ〜80Hz/ドア80〜250Hz/ミッド250〜4000Hz/ツイーター4000Hz〜

【測定】
・ソフト:REW。マイクは運転席ヘッドレスト付近、天井向き
・添付:左ドアだけ/右ドアだけ/左右ドアを同時に鳴らした測定(ディレイはまだ左右とも0)

【困っていること】
・低音が物足りない気がする

【お願い】
・グラフから読み取れる問題点と、その原因を教えてください
・DSPに入力する具体的な数値を、理由と一緒に提案してください
・EQはカット中心で、1回に直すのは2〜3か所までにしてください

聞き方のコツ

  • ハンドルの位置を書く
    右ハンドルか左ハンドルかで、左右のスピーカーまでの距離が変わります。タイミング合わせには欠かせない情報です
  • DSPでできることを書く
    ディレイの単位、EQが何Hzから使えるかなど。書いておかないと、自分のDSPでは入力できない提案が返ってくることがあります
  • 理由も一緒に聞く
    答えが筋の通ったものか、自分でも確かめられます
  • 耳の感想を言葉で伝える
    「声がボワつく」「ざらつく」など、感じたままでOKです

実際にAIチャットに聞いてみた

ここからは、僕のRAV4で以前に測ったデータを使って、実際にAIチャットに聞いてみた結果です。どんな答えが返ってくるのか、参考にしてみてください。

実験A:左右のタイミング合わせ

先ほどのテンプレと、左ドアだけ・右ドアだけ・左右同時の3本を送りました。返ってきた答えはこちらです。

  • 170〜190Hzあたりで、左右のドアの音が打ち消し合って大きく落ちている
  • 原因は右ハンドルによる左右の距離の差(約0.8m)
  • 右ドアに2.3msのディレイを入れるのが最適。2.0〜2.6msを0.1ms刻みで試して、いちばんいい値を選んで

参考までに、Claude Codeと相談したときの答えは「右を2.4ms遅らせる」で、試した範囲も2.0〜2.6msでした。

Claudeからは「90〜100Hzあたりでも打ち消し合っている」という指摘もあり、データを見直すとたしかにその通りでした。

左右のドアを1本ずつと同時に鳴らした測定グラフ。170〜190Hzで同時のときだけ大きく下がっている
REWの測定結果からClaudeが左右ドアの打ち消し合いを計算し、右ドアに2.3msのディレイを提案した画面

実験B:「声がボワつく」をEQの数値にする

次は、全スピーカーを鳴らした測定を1本だけ渡して、「山崎まさよしの声がボワつく」と相談してみました。

  • ボワつきの本命は270〜360Hzの山(いちばん高いのは324Hz)
  • 提案はミッドの320Hzを−4dB。まずはこれだけ入れて、同じ曲で聴いて確かめて
  • 谷(落ち込んでいるところ)は、EQで持ち上げても埋まらないので触らないで
全スピーカーの測定グラフ。270〜360Hzの山と750Hz付近の谷に印をつけたもの
「声がボワつく」という相談に、Claudeがミッド320Hzを−4dBカットするEQを提案した画面

参考までに、Claude Codeと相談したときもミッドの315Hzをカットしました(最初は−7dB、試聴して最終的に−10dB)。

カットする量は違っても、「まず入れて、聴いて、調整する」という進め方なら問題ありません。

ちなみに、Claude Codeに測定からDSPの設定まで任せて調整したときの話は、こちらの記事でくわしく紹介しています。

ステップ4:DSPに入力して、もう一度測る

AIから数値をもらったら、いよいよDSPに入力します。

  1. 今の設定をバックアップする
    うまくいかなかったときに、すぐ戻せるようにしておきます
  2. 音量を下げてから入力する
    設定を変えた瞬間に大きな音が出ることがあります
  3. 同じ条件で測り直す
    マイクの位置は動かさないのが鉄則です
  4. 測り直した結果を、またAIに見せる
    「ディレイを2.3msにして測り直しました」と、同じチャットで続けて送ればOK
  5. 最後は耳で聴く
    感想をAIに伝えて、少しずつ仕上げていきます

この「入力→測る→見せる」をくり返すのが、AIチャットでの調整の基本です。

AIの答えをうのみにしないための注意点

違うAIに聞くと、数字はズレても、方向性は同じだった

実は実験Aは、Claudeに聞く前に、多くの人が使っているであろうMicrosoft Copilotにも同じファイル・同じ文面で聞いていました。

Copilot Claude 参考:Claude Codeと相談
打ち消し合いの発見 ○ ○ 170〜190Hz
原因(左右の距離差) ○ ○ 約82cm
右ドアのディレイ 0.7〜1.0ms 2.3ms 2.4ms
谷のEQ +3dBで持ち上げる案 持ち上げないで 持ち上げない
同じ測定データを見せたCopilotが、右ドアに0.70msのディレイを提案した画面

「低音不足の原因は左右の打ち消し合い」というところはどちらも同じ。ちゃんと理屈も説明してくれました。

ディレイの値はAIによってズレがありましたが、注目してほしいのは、どちらも「調整の方向性」は同じだったということです。

  • 低音不足の原因は、サブウーファーではなく左右のドアの打ち消し合い
  • 直すなら、EQより先に近い側(右ドア)を遅らせる
  • 値は何通りか試して、測って決める

つまり、AIの答えは「この数字をそのまま入れればOK」というものではなく、「どっちの方向に、何から直せばいいか」を教えてくれるものとして使うのがポイントです。

方向性さえ合っていれば、あとは値を少しずつ変えて測り、いちばんいいところを探せばOK。

数字は測りながら追い込んでいきましょう。

理由を読んで、筋が通っているか確かめる

Copilotの答えをよく読むと、自分で「左右の距離の差は70〜80cmくらい」と書いていました。音は1msで約34cm進むので、70〜80cmなら約2msになるはずです。理由と数値が合っていないんですね。

こんなふうに、理由まで読むと「あれ?」と気づけることがあります。

おかしいなと思ったら、「その値の根拠は?」と聞き返してみましょう。

谷を持ち上げる提案には要注意

打ち消し合いでできた谷は、EQで持ち上げても埋まりません。

持ち上げた分だけ、打ち消す側の音も大きくなるからです。アンプやスピーカーに負担をかけるだけなので、谷をブーストする提案は基本的に見送るのがおすすめです。

EQは、1か所の測定の山や谷を全部直そうとしない

とくに中音〜高音は、マイクの位置が10cm変わるだけでグラフが大きく変わります。

1か所で測った細かい山や谷は、「その一点だけで起きていること」かもしれません。

EQで直す前に、マイクを少しずらして何か所か測り、どの位置でも出ている山だけを直しましょう。

なお、タイムアライメントは「ふだん聴く位置」に合わせるものなので、マイクはヘッドレスト付近の1か所に固定したまま測ればOKです。

最後に決めるのは自分の耳

測定で整えた音は、あくまで土台です。

最後に「もっとこうしたい!」を決めるのは、自分の耳。

AIはそのための、とても頼りになる相談相手です。

まとめ:グラフが読めなくても、AIに聞けば調整値がわかる

REWの測定結果をAIチャットに渡して調整値をもらう方法は、この4ステップでした。

  1. AIに渡しやすい測り方をする(スピーカーを1本ずつ、左右同時も)
  2. 測定結果をテキストで書き出す
  3. 車・スピーカー・DSPの情報と困っていることを伝えて聞く
  4. DSPに入力して、測り直して、また見せる

グラフの読み方がわからなくても、AIに聞けば「どこを何dB直せばいいか」がわかります。

無料で、どのDSPでも使えるので、REWで測ったら、ぜひ一度試してみてください。

ただし、AIによって数字がズレることもあります。

理由を読んで筋が通っているか確かめること、測り直して確かめることだけは忘れないでください。

「入力や測定まで、全部AIに任せたい!」という人は、Claude Codeを使ったやり方も紹介していく予定です。

今日はこのへんで、それではまた〜

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